鯵の産地とブランド|関アジ北浦灘アジなど

北海道南部以南の太平洋ならびに日本海のほぼ全域に分布している「鯵 (あじ)」は、12月から2月までの期間を除いた全ての季節で水揚げすることができるため、イワシやサバ、サケなどと同じく古くから日本の食卓に欠かせない定番魚として人気があります。

鯵といえば、アジのフライやマリネ、南蛮漬けに干物、塩焼きなど加熱調理して食べることが多い魚ですが、旬である5月から7月にかけて、脂ののった新鮮な鯵がたくさん市場に出回るため、この時期はお刺身やなめろう、たたきといった生で食べるのが定番となっています。

ところで、皆さんは鯵の産地についてどのくらいご存知ですか。

現在日本では年間160,000トンを超える鯵が水揚げされており、なかでも長崎県、佐賀県、島根県、鳥取県、愛媛県の5県は日本有数のアジの産地として知られており、なんとそれぞれの産地で「関アジ」や「北浦灘アジ」といった地付きアジのブランド化が行われています。

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そこで、今回は地付きアジで最も有名な「関アジ」と「北浦灘アジ」の産地や特徴についてご紹介します。

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大分県の地付きアジブランド「関アジ」

地付きアジブランドで最も有名な鯵といえば、「関アジ」ではないでしょうか。

関アジとは、速吸瀬戸として有名な豊予海峡で漁獲され、大分県大分市にある佐賀関にて水揚げされた鯵のことです。

関アジの魅力は、キュッと引き締まった身とくちの中でとろけてしまうような味わいであり、関アジの活き造りを食べたことのある方々のあいだでは「タイやヒラメにも勝る逸品」として語られています。

関アジの魚場である豊予海峡は瀬戸内海と太平洋の水塊がぶつかり合う潮流の速い水域のため、餌が豊富でプロアスリートのように身がしっかりと引き締まった健康的な魚がたくさんいます。

しかし、豊予海峡で漁獲される全ての鯵が「関アジ」となるわけではありません。関アジは、大分県の佐賀関沖で大分県漁業協同組合 佐賀関支店の組合員である漁師さんが一本釣りで獲ったマアジのみに限られているのです。

ただ、この海峡は潮の流れが非常に早い魚場ですので、熟練の漁師さんたちは命がけでアジを獲っています。

また、獲ったアジをごく短時間のあいだに船のいけすに放つため、鯵が傷付いたりストレスを感じて味が落ちる心配もありません。

港に運ばれた鯵は、いったん港にある網いけすに入れ、落ち着かせてから1匹1匹丁寧に手作業で「活けじめ」と呼ばれる処理を行ってゆくため、青魚独特の臭みが極限まで抑えられ、健康で鮮度の良い状態を保ちながら、全国各地へと運ばれてゆくのです。

熟練の技と腕によって生まれる極上の鯵「関アジ」は、魚好きのあいだでは「人生で1度は食べておくべき魚」として注目を集めています。

宮崎県の地付きアジブランド「北浦灘アジ」

宮崎県といえば、完熟マンゴーや日向夏、キュウリなどの特産品で有名ですが、もうひとつ忘れてはいけない特産品があります。それは「北浦灘アジ」と呼ばれる地付きアジです。

北浦灘アジとは、豊後水道から南下する沿岸海流と黒潮本流とが会合し、四国の南端へと向かう日向灘の速い潮流の中で元気に回遊しているマアジたちを宮崎県延岡市北浦町沿岸にて、北浦漁港まき網船によって生きたまま網揚げされ、丁寧に活漁船で北浦漁港まで運び、1週間以上蓄養して胃の中をからっぽにさせてから出荷されるアジのことです。

餌を与えず1週間以上蓄養して胃の中をからっぽにさせると、一般的な鯵よりも高鮮度で品質と肉質が安定し、まろやかな口当たりが楽しめる鯵となるため、関アジと人気を二分するたいへん有名なブランドアジとなっています。

今回は大分県と宮崎県の地付きアジブランド「関アジ」「北浦灘アジ」についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。産地が違えば、アジの風味やおいしさも全く異なりますので、この機会に2つの鯵を食べ比べてみてはいかがでしょうか。

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