お刺身にマリネ、カルパッチョなど和洋折衷様々な料理の食材として活躍しているマグロは、スズキ目サバ科の外洋性大型回遊魚であり、カツオやハガツオとは親戚関係にあたることは、皆さんもご存知かと思います。
「本マグロとミナミマグロの2種類じゃないの?」「いやいや、メバチマグロやビンチョウマグロも含めて4種類でしょう」など、なかなか日本で食べることができるマグロの正確な種類を答えられる方はおりません。
現在、日本の市場に出回っている主なマグロは、
・ミナミマグロ
・メバチマグロ
・キハダマグロ
・ビンチョウマグロ
・コシナガマグロ
以上、7種類となっています。
そこで、今回はマグロの種類比較やランクの違い、それぞれの値段と見分け方をご紹介します。
本マグロ
一般的なスーパーやデパートの鮮魚コーナーでは滅多なことが無い限りお目にかかることができない、云わずと知れた高級魚「本マグロ」は、マグロが水揚げされる漁港ではブランド化がされるほど有名なマグロです。
本マグロは稀少価値が高く、最上等種としてランク付けされているため、値段も他のマグロよりも高めになっています。
ミナミマグロ
お寿司屋さんでは色変わりが早いという理由から敬遠されがちなミナミマグロですが、味は本マグロに負けず劣らずとしてたいへん人気があります。
ミナミマグロは本マグロとは違い、産地によって味わいが変化しないので、いつでも安定した味わいのマグロを食べたい方にオススメです。
ミナミマグロで最もおいしいとされている部位は「中トロ」であり、くちの中に広がる脂の優しい甘みと旨味はマグロの中でもトップクラスとされています。
メバチマグロ
日本で食べることができるマグロの種類の中で最も太くずんぐりとした体型をしているメバチマグロは、世界のマグロ漁獲量ではキハダマグロに劣るものの、日本での流通量はメバチマグロの右に出るものはいません。
街のスーパーやデパートなどの鮮魚コーナーで販売されているマグロの多くが、このメバチマグロであり、鮮やかな赤色の色合いは、まさに「マグロのなかのマグロ」と言えるでしょう。
本マグロなどの高級魚と比較すると、あっさりとした味わいをしているがマグロ特有の旨味はしっかりと感じることができます。
ただ、メバチマグロのほとんどが赤身なので、中トロはあるが大トロは存在しません。
キハダマグロ
マグロが苦手な方でもおいしく食べられると評判のキハダマグロは、クセの少ない淡白な味わいが特徴のマグロです。他のマグロと比べて色変わりが遅く、身質が固めなので量販店向きとなっています。
そのため、目利きのプロでなければ本マグロやミナミマグロの中トロと見間違えてしまうことも多々あります。
ですが、脂の刺しが入ってピンク色になっているわけでは無いため、よく見るとその違いがはっきりと分かります。
ビンチョウマグロ
日本で食べることができる7種類のマグロのなかで最も食味が劣るとされるビンチョウマグロは、沖縄県などの一部地域を除き、生で流通することが無い珍しいマグロです。
しかし、高緯度の低温水域で漁獲される若いビンチョウマグロは、非常に脂のりが良いため、お寿司屋さんでは「ビントロ」という名で提供されています。
大トロのような淡いピンク色をしていますが、ビンチョウマグロの身は元々淡いピンク色をしているので、脂の刺しが入っているからピンク色をしているわけではありません。
コシナガマグロ
クロマグロの子どもとそっくりな容姿をしているコシナガマグロは、最大で全長100cmほどの可愛らしいマグロです。本マグロと比較すると、キハダマグロに近い身質をしており、やや淡い赤身をしています。
日本近海でも漁獲されているのですが、主な漁業対象となっていないため流通量が少なく、カツオが獲れない九州地方や山陰地方を中心に秋の風物詩として食べられています。
今回はマグロの種類比較やランクの違い、それぞれの値段と見分け方についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本では7種類ものマグロが食べられており、それぞれが全く異なる特徴を持っています。この機会に7種類全てのマグロを食べ比べて、その違いを肌で感じてみてはいかがでしょうか。