鯵の寄生虫の処理方法|鯵の寄生虫には加熱?冷凍?

ここ数年、お刺身などの生の魚を食べて寄生虫による食中毒で救急搬送されるニュースを耳にする機会が増えてきました。

厚生労働省では、生の魚介類を取り扱う販売業者や飲食店などに対して寄生虫が感染していないかどうかをしっかり確認するなどの対策を徹底するように呼び掛けているのですが、それでも寄生虫の感染による食中毒が日本各地で起こっています。

テレビや雑誌などで活躍されている人気お笑い芸人の渡辺直美さんや南海キャンディーズの山里亮太さんといった芸能人の方々も自身のTwitterなどで被害を報告しています。

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そこで、今回はこれから旬を迎える夏の魚「鯵」に寄生する寄生虫の種類と対処法、食べてしまった時の症状についてご紹介します。

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鯵に寄生する寄生虫の種類

鯵に寄生する主な寄生虫は、いま世間を騒がせている「アニサキス」とダイオウグソクムシに似ている「ウオノエ」になります。

アニアキス

アニサキスとは、クジラなどの海産哺乳類を最終宿主とする体長40mmから150mmほどの小さなカイチュウ目の線虫です。

アニサキスの幼虫はクジラなどの海産哺乳類の体内に入り込むために、アジ・サバ・イワシ・カツオ・サケ・イカ・サンマなどの魚介類の体内に寄生し、機会をうかがっています。

しかし、アニサキスに感染していることを知らずにアジやサバなどを流通させてしまうと、アニサキスの幼虫たちは人間の体内に入り込こみ、胃壁や腸壁に噛みつき、急性胃アニサキス症または急性腸アニサキス症を引き起こします。

ただ、アニサキスは60℃以上で1分以上加熱(70℃以上ならば瞬殺)、-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅させることができますので、アニサキスの感染が不安な方は必ずアジを加熱もしくは冷凍させてから食べるようにしましょう。

ウオノエ

ウオノエとは、アジやタイ、サヨリなどの魚の口の中やエラ、体の表面にへばりついて体液を吸い取る等脚目の寄生虫です。ウオノエに寄生されたアジやタイなどの魚は貧血や栄養障害、発育障害などが表れ、本科による漁業対象魚種の被害が世界中で報告されており問題となっています。

ウオノエには他にも「タイノエ」「ウオノコバン」という呼び名があり、寄生中の魚が死んでしまうと自然と離れてゆくため、ウオノエに寄生された魚を釣ってクーラーボックスに入れておくと、魚から離れたウオノエが泳いでいたり、スーパーやデパートなどで購入したアジやタイなどの口の中にウオノエが隠れていることがあります。

ウオノエは食べても大丈夫って本当?

アジやタイ、サヨリなどの口の中に住みついているウオノエやタイノエは、魚の口から侵入して舌を取り除いてしまうことから「舌切り虫」と呼ばれています。

ウオノエ科の上にあたるウオノエ上科には、ダイオウグソクムシで知られるスナホリムシ科も属しており、姿形がよく似ているのはそのせいです。

舌切り虫と呼ばれるウオノエやタイノエは、虫嫌いな方でもちょっぴり可愛いと思ってしまうほど愛嬌のある顔をしているのですが、彼らは宿主となるアジやタイなどを見つけると、後を追いかけてエラに取り付き、そこから内部へと侵入して口にやってきます。口に辿り着いたウオノエは宿主である魚の舌から血液を吸い、舌全体を委縮もしくは壊死させて自分が住める環境を確保します。

そして、舌の在った部分にしっかりとくっついて、魚の舌のように振る舞いながら自分の身を守ります。

ウオノエはやや容姿がグロテスクのため、苦手な方も多いですが、アニサキスのように人間に感染することが無いため、見つけたら取り除くだけで問題ありません。

ちなみに、大分県の水産研究部養殖環境チームの方々が過去に様々な寄生虫を試食したところ、なんと卵がギッシリ詰まったシャコのような味と殻ごとパリパリ食べれるとってもおいしい寄生虫としてウオノエを紹介しています。

ただ、ウオノエを調理する際は必ず正しい知識を身に付けてから行うようにしてください。

今回は鯵に寄生する寄生虫の種類や対処法、食べてしまった時の症状などについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

旬を迎えた鯵はお刺身やたたき、なめろうなどの生食で頂くのがおいしいと言われていますが、アニサキスウオノエなどが寄生している可能性がありますので、鯵を生で食べる際は十分に注意してください。

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