鮭の寄生虫アニサキスの症状や加熱冷凍により処理について|鮭の寄生虫

女性を中心に絶大な人気を誇る魚「鮭」ですが、実は恐ろしい寄生虫が潜んでいることをご存知ですか。

以前、石川県七尾市で36歳の女性がみぞおちに激しい痛みと止まらぬ嘔吐などを訴え、七尾市内にある総合病院に搬送されました。

心電図や胸部レントゲン検査を行ったが、特に異常は見られなかったのですが、彼女が胸の痛みを感じ始めた2日前に鮭の刺身を食べていたことが分かり、腹部のCT検査を行ったところ、なんと胃壁がただれて肥大化していたのです。

医師たちは原因を突き止めるために内視鏡検査を行ったところ、なんと食道と胃の接続部ならびに胃壁の粘膜に寄生する無数のアニサキスの幼虫を発見したのです。

「鮭の刺身や寿司が食べられなくなりそう」と思われた方もたくさんいらっしゃると思いますが、きちんと処理することで鮭に潜むアニサキスなどの寄生虫を駆除することができますので、ご安心ください。

それでは、鮭についている「アニサキス」とはどのような寄生虫なのか、アニサキスに感染したときの症状と適切な駆除方法についてご説明します。

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鮭についている寄生虫「アニサキス」とは?

アニサキスとは、体長3cmほどの半透明白色の寄生虫です。

主に魚の内臓表面に潜んでいるのですが、筋肉部分にも寄生することがあり、鮭や鱒の場合は腹部の筋肉内に多く見られます。

アニサキスは、鮭や鱒をはじめ、サバ・ニシン・スルメイカ・ホッケなどに寄生する線虫類であり、この寄生虫に感染した魚の刺身や寿司など加熱を行っていない状態で人間の体内に摂り込まれてしまうと、悪さを働きます。

ですが、アニサキスは人間の体内で成虫になることができないため、通常は感染せずに排泄されてしまうのですが、稀に人間の胃や腸壁に侵入し、8時間以内に激しい腹痛を生じ、吐き気・嘔吐・蕁麻疹などの症状が表れます。

アニサキスに感染した際の症状は、胃痙攣や胃潰瘍、虫垂炎などによく似ているため、こういった症状が表れた場合は、症状が表れ始めた8時間前に生魚を摂取している場合、どんな魚を食べたのかを正確に医師に伝えるようにしてください。

アニサキスの駆除方法

アニサキスは60℃以上で加熱調理することが最も有効的な駆除方法として、様々な情報サイトなどで紹介されていますが、スーパーやデパートで購入した刺身専用の鮭を加熱調理するのは避けたいですよね。

でも、アニサキスが身体の中に入り込んで悪さをするのは避けたいと思っている方も多いと思います。

実は、アニサキスは60℃以上の加熱調理以外にもう1つ有効な駆除方法があります。

それは、「マイナス20℃で24時間以上中心部までしっかり冷凍すること」です。

しかし、家庭用の冷凍冷蔵庫では保管量が多すぎるなどの理由からマイナス20℃以下にならない場合があります。そのため獲れたて新鮮な鮭を自宅でさばいて刺身にすることは、かなり危険であると言えます。

なお、特に生食を控えた方が良い鮭は、天然鮭のなかでも「秋鮭」と呼ばれるものになりますので、合わせて覚えておきましょう。

今回は鮭についている寄生虫「アニサキス」についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

鮭などの刺身や寿司を食べて食中毒を起こしている方々は、国内だけで毎年100件近く報告されています。

「スーパーで購入したから安心」「お寿司屋さんで食べたから平気」と思わず、いつでも寄生虫に感染する恐れがあることを頭の片隅に入れておき、少しでも異常が見られる場合は速やかに病院で診てもらうようにしましょう。

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