ミナミマグロ・インドマグロとは|マグロの種類

「黒いダイヤモンド」と呼ばれるクロマグロと対を成す存在「赤いダイヤモンド」ことミナミマグロは、南半球の温帯・亜熱帯海域のみに生息する中型種のマグロです。

クロマグロと同じく、大トロが取れるため高級マグロとして扱われており、価格は冷凍・チルド共に非常に高めとなっています。

ミナミマグロはクロマグロとは異なり、産地や釣り方などで味わいに変化が生まれず、くちに入れたときに感じる独特な鉄分を感じさせるような酸味もなく、まろやかで甘い脂の赤身と濃厚なトロの旨味を堪能できるマグロとして人気を集めています

ただ、ミナミマグロはクロマグロと人気を二分する高級マグロなのですが、日本での流通量が少なく、色変わりしやすいという特徴を持っているため、一般的なスーパーやデパートなどでは滅多にお目にかかることができません

そこで、今回は日本での流通量が低いが人気はある絶品マグロ「ミナミマグロ」についてご紹介します。

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ミナミマグロとは

ミナミマグロとは、別名「インドマグロ」とも呼ばれており、外見はクロマグロによく似ているのですが、体の大きさがクロマグロよりも小さい体長2.2m、体重は160kgほどであり、最大で体長2.4m、体重260kgにまで成長します。

ミナミマグロは基本的に何もかもがクロマグロと正反対であり、生息地域は南半球の南緯30度から60度の中緯度海域を中心に広く分布しています。旬の時期はクロマグロが秋から冬なのに対し、ミナミマグロは晩春から夏にかけてとなりますので、おいしいミナミマグロを食べたい方は夏に召し上がるのがオススメです。

ミナミマグロはスーパーなどで滅多にお目に掛かれない高級マグロではありますが、世界で漁獲されているミナミマグロの大半が日本へと輸出されており、世界でも有数のミナミマグロ消費国家となっています。

しかし、ミナミマグロはクロマグロと同じく「IUCNレッドリスト」の絶滅危惧種に指定されており、日本を含む主要漁獲国は「みなみまぐろ保存委員会」を結成し、資源保護のために漁獲量制限を設けています。

その結果、ミナミマグロの生息数は回復傾向にありますが、それでも全盛期と比べると生息数は極めて少ないため、主要漁獲国ではミナミマグロの養殖に積極的に取り組み、資源保護に努めています。

ミナミマグロの栄養とカロリー

ミナミマグロの赤身部分は200gあたり186kcalとクロマグロよりも低カロリーとなっていますが、脂がたっぷりのったトロの部分のカロリーは高めなので、ダイエット中は極力食べるのを避けた方が良いでしょう。

ミナミマグロに含まれる栄養素は基本的にクロマグロとほぼ同じですが、ミナミマグロよりもクロマグロの方が、若干栄養価が高めとなっています。

みなみまぐろ事件とは?

ミナミマグロを巡り、日本とオーストラリア・ニュージーランドで起こった「みなみまぐろ事件」は、お父さんやお母さんの世代ならばご存知かと思います。

みなみまぐろ事件とは、1998年から1999年にオーストラリアとニュージーランドより日本のミナミマグロ漁獲量が国連海洋法条約第64条などに違反していると国際海洋法裁判所に対し、仲裁ならびに調査漁獲の即時中止などの暫定措置を要請し、国際海洋法裁判所はこれを一時受理したが、2000年になり、この問題に対する審理をしていた国際海洋法裁判所の仲裁裁判所がこの問題の審理は管轄外であるとし、暫定措置命令を無効とする判断を下したことで、日本が逆転勝訴した事件のことです。

なぜ、国際海洋法裁判所の仲裁裁判所は暫定措置命令を無効とする判断を下したのでしょうか。

この暫定措置命令の内容は、

・三ヶ国が合意の無い限り最後に合意された97年の国別割当量範囲内で漁獲を行うこと。
・三ヶ国は同意の無い限り97年の国別割当量を越える調査漁業を行ってはならないこと。
・日本は1999年および2000年の日本の漁獲枠から1999年に日本側が調査漁獲した量を差し引くこと。

でした。

しかし、国際海洋法裁判所の仲裁裁判所は、「みなみまぐろの保存のための条約」は国際海洋法条約が定める紛争解決手続きの可能性を排除しているとし、国際海洋法条約に基づいて設置された仲裁裁判所によって日本への暫定措置が無効とされたのです

日本は世界で最もマグロを消費する国のため、絶滅の恐れが危惧されているクロマグロやミナミマグロを守るための活動を行っている世界中の人々からすると、疎ましく感じるのかもしれません。

世界で漁獲されているマグロの大半を消費している私たち日本人もクロマグロやミナミマグロが絶滅しないよう、積極的に資源保護に努めてゆく必要があります。

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