プチプチとくちの中で弾ける食感とシンプルなのに奥深い味わいが楽しめる「いくら」は、手巻き寿司やおにぎり、ちらし寿司、パスタ、カナッペ、サラダなど様々な料理に用いることができる万能食材です。
いくらの旬は、秋鮭 (白鮭)と同じ9月から11月となっており、この時期のいくらは、いつもよりも栄養価が高く、美味しさも倍増すると言われています。
そこで、今回はいくらとはどのような栄養を含む食べ物なのか、また痛風への影響はあるのかなどについてまとめてみました。
いくらとはどのような栄養を含む食べ物なのか
いくらとは、サケやマスの魚卵を1粒ずつ分離させて塩や醤油に漬け込んだ食べ物です。
くちの中でプチプチと弾ける食感と濃厚な旨味とコクが広がるいくらは、大人だけではなく、子どもたちからも大人気の食べ物であり、ホカホカの温かなごはんの上に乗せたり、軍艦巻きや手巻き寿司、ちらし寿司の具材など、様々なシーンで活躍しています。
老若男女問わず、幅広い世代から高い人気を誇るいくらには、良質なたんぱく質が100gあたりおよそ32.6gも含まれており、さらに、ビタミンA (レチノール)、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンEなどのビタミン類やマグネシウム、カルシウムなどのミネラル類、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸、多価不飽和脂肪酸のDHA、EPAなど、様々な栄養成分が豊富に含まれています。
そのため、いくらを食べることで、
- 疲労回復効果
- 滋養強壮作用
- 代謝促進作用
- 免疫力の向上
- 認知症の予防
- 血流促進
- 貧血予防
- 冷え性改善
- うつ病予防
- 骨粗鬆症予防
など、様々な効果や効能を得ることができます。
なかでも、特に注目したい栄養成分が「アスタキサンチン」です。
鮭の卵であるいくらにも非常に強力な抗酸化力を持つカロテノイドの1種であるアスタキサンチンが豊富に含まれており、鮭と同じく動脈硬化などの生活習慣病やシミやシワ、たるみなどの肌老化の予防や改善に効果を期待することができます。
いくらを食べると痛風になるって本当?
人間のカラダを構成している細胞には寿命があり、寿命が尽きると新しい細胞へと生まれ変わります。
その際、古い細胞内にある核が放出し、分解されるのですが、その際、プリン体と呼ばれる物質が産生されます。
産生されたプリン体は肝臓へと運ばれ、尿酸と呼ばれる老廃物に分解されます。
尿酸は血液中に一定量存在する物質なのですが、余分なものは尿や便と共に体外へと排泄されます。しかし、血液内の尿酸濃度が一定以上越えてしまうと、血液中で結晶化を始め、関節部分などに沈着してしまいます。
すると、関節部分に沈着した尿酸血症を異物とみなした白血球が攻撃を始め、その際放出された炎症物質によって激しい痛みが起こります。これを痛風と言います。
痛風はプリン体を摂り過ぎなければ引き起こらないとされていますが、プリン体は私たちの体内にも存在する物質であり、さらにほぼ全ての動植物に含まれているため、1日の摂取量400mgを目安に摂取するのが理想とされています。
いくらに含まれるプリン体は100gあたりおよそ3.7mgとさほど多くありません。
それは、いくらの食べ方に理由があります。
いくらは1食あたり20gが基本とされているのですが、ごはんにかけたり、手巻き寿司やちらし寿司の具材として使用すると、あっという間に100g以上使ってしまいます。
しかし、100g以上使ったとしても、いくらに含まれるプリン体の量は1日の摂取量よりも低いため、痛風を引き起こすまでにはいきませんが、もしもプリン体を豊富に含む食べ物と共に摂取してしまった場合、1日の摂取量を越えてしまう恐れがあるため、注意が必要です。
また、いくらは100gあたりおよそ272kcalと非常に高く、塩分も高めなので食べ過ぎると塩分の過剰摂取となり、さらに、いくらはアレルギーが出やすい食べ物でもありますので、食べ過ぎると痛風よりも酷い健康被害に見舞われる可能性があります。
いかがでしたか。
幅広い世代から愛されているいくらには、アスタキサンチンやビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸など健康と美容に優れた効果や効能を発揮する栄養成分が豊富に含まれていますが、食べ過ぎてしまうと、肥満や動脈硬化などの生活習慣病やアレルギーを引き起こす原因となりますので、注意が必要です。
いくらは1食およそ20gが目安とされておりますので、いくら大好きだからといって、1日に多くの量を食べ過ぎないように注意しましょう。