日本では現在8種類ものサケ科の魚が市場に出回っています。
なかでも特に有名なサケ科の魚が「白鮭」「紅鮭」「銀鮭」の3種類です。
白鮭とは、古くから日本各地で漁獲されているサケ科サケ属に属する魚であり、成長度合いによって「鮭児」や「めじか」「銀毛」など名前が変化するのが特徴です。
一方、紅鮭は鮮やかな紅色の身と肉厚で絶妙な脂のりを持つ栄養満点なサケ科サケ属に属する魚であり、養殖することができないため、アメリカなどでは高級魚として扱われています。
では、銀鮭とはどのようなサケ科の魚なのでしょうか。
銀鮭とは?
銀鮭とは、河川と海を行き来するサケ科サケ属に属する魚です。
主に沿岸州中部以北の日本海・オホーツク海・ベーリング海・北太平洋全域を生息地域としているのですが、白鮭とは異なり、日本の河川を訪れることは非常に稀だと言われています。
銀鮭は日本の漁業水域では水揚げされることがほぼありませんが、1976年にアメリカから銀鮭の卵を輸入し、宮城県志津川湾にて銀鮭の海面養殖が始まり、なんと1991年には27,000トンあまりの銀鮭の養殖に成功しました。
しかし、この養殖技術を南米チリなどへ移植したことで、日本の銀鮭養殖事業がチリ産の低価格な銀鮭の影響を受け、現在では年間10,000トン前後の生産量へと低迷しつつあります。
現在市場に出回っている銀鮭の多くが、チリで養殖されたものであり、値段が安いので主婦を中心に人気を集めています。
銀鮭の気になるカロリーや栄養
銀鮭は、白鮭や紅鮭よりも成長が早く、孵化した後、1年ほど河川で生活した後、海へと下り、2年から3年ほどしたら再び生まれた河川へと戻ってくるため、天然ものを獲るよりも養殖した方が早いと言われています。
そのため、市場に出回っている銀鮭の多くが宮城県もしくはチリで養殖されたものになります。
さて、市場に出回っているほとんどが養殖である銀鮭ですが、気になるのがカロリーや含有されている栄養です。
では、ここで銀鮭100gあたりのカロリーと栄養についてご紹介します。
- 銀鮭 (生)100gあたりのカロリーと含有されている栄養
栄養成分 |
含有量 |
カロリー |
204kcal |
たんぱく質 |
19.6g |
脂質 |
12.8g ※飽和脂肪酸:2.23g / 不飽和脂肪酸:6.42g |
コレステロール |
60mg |
ナトリウム |
48mg |
カルシウム |
12mg |
カリウム |
350mg |
マグネシウム |
25mg |
リン |
290mg |
亜鉛 |
0.6mg |
鉄 |
0.3mg |
マンガン |
0.01mg |
銅 |
0.05mg |
ヨウ素 |
4μg |
セレン |
28μg |
レチノール |
36μg |
ビタミンB1 |
0.15mg |
ビタミンB2 |
0.14mg |
ナイアシン |
5.3mg |
ビタミンB6 |
0.32mg |
ビタミンB12 |
5.2μg |
パントテン酸 |
1.37mg |
葉酸 |
9μg |
ビタミンD |
15μg |
ビタミンE(α) |
1.8mg |
ビオチン |
4.6μg |
ビタミンC |
1mg |
銀鮭の方が、紅鮭よりも若干含有されている栄養成分が多いのが特徴です。
ただ、アスタキサンチンの含有量は銀鮭よりも紅鮭の方が多いので、健康や美容に関する優れた効果や効能を得たい場合は「紅鮭」を、栄養バランスを考えた食事を摂取されたい場合は「銀鮭」を食べるのが良いでしょう。
今回は銀鮭とはどのような魚なのかをご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
日本には、白鮭・紅鮭・銀鮭など様々な種類の鮭が市場に出回っておりますので、この機会に食べ比べてみるのも良いかもしれませんね。