塩引き鮭作り方と食べ方|村上市の鮭

「鮭のまち」として有名な新潟県村上市には、「鮭料理の横綱」と称される最高の美味「塩引き鮭」という伝統料理があります。

塩引き鮭とは、その年に獲れた最高の秋鮭と天然の粗塩のみで作られる究極のスローフードです。

よく新巻鮭と間違える方も多いですが、新巻鮭とは、生鮭の内臓を綺麗に取り除いてから水洗いし、塩をまぶして急速冷凍保存された鮭料理のことであり、塩引き鮭とは、生鮭の内臓を綺麗に取り除いてから水洗いするところまでは新巻鮭と同じなのですが、その後の工程が異なり、粗塩をすり込んで1週間ほど置いたら、水で塩を抜いて、軒先などに吊るして数週間ほど乾かした鮭料理のことです。

塩引き鮭は、適度な低温と湿度、そして北西からやってくる潮風が運んでくる塩分と乳酸菌、これら4つの要素が絶妙に組み合わさることで低温発酵が促され、鮭の持つ旨味を最大限引き出すことができるのです。

そのため、絶品の塩引き鮭作ることができるのは、新潟県でも村上市を除いて他にありません。

塩引き鮭は、村上市のお正月料理として古くから無くてはならない存在であるため、毎年晩秋から初冬の時期にかけて、千匹もの塩引き鮭が家の軒先に吊るされている風景は、村上の冬の風物詩となっています。

そんな村上市伝統の鮭料理「塩引き鮭」ですが、今では様々なメディアで絶品ご当地グルメとして紹介されるようになり、すっかり全国区となりました。

現在ではお世話になった方への冬ギフトや年末年始のご馳走用に購入される方も増えており、中には塩引き鮭を購入することが出来なかったという方も多々おります。

そこで、今回は新潟県村上市の伝統鮭料理「塩引き鮭」を自宅で手作りする方法とオススメの食べ方をご紹介します。

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村上市の伝統鮭料理「塩引き鮭」の作り方

新潟県北端にある村上市は、毎年冬の時期になると北西から厳しい寒風が吹きます。

塩引き鮭の美味しさの秘訣は、村上市の適度な低温と湿度、そして、冬の時期になると北西から吹く寒風によって運ばれてくる塩分と乳酸菌によって低温発酵されることで、鮭の旨味が最大限引き出すことができるのです。

そんな村上市伝統の鮭料理「塩引き鮭」を今年は自分の手で作ってみたいという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、村上市に古くから伝わる伝統的な製法を用いた塩引き鮭の作り方をご紹介します。

塩引き鮭の作り方
  1. 鮮度の良い雄鮭を用意します。
  2. 鮭をしっかり洗い、竹べらで身体のヌメリをよく取りましょう。※このとき頭の裏側に包丁目を入れておくと塩が効きやすくなるので必ず入れておきましょう。
  3. おしりの方から腹を割いてゆきます。このとき一度に全部割かないのがポイントです。割き方は、まず中ビレあたりで2cmほど残し、再度頭の方へ向かって割いてゆきます。※これは昔、村上市が城下町であった頃の名残ではないかと言われています。
  4. 内臓を綺麗に取り除きます。エラの残りや中骨に沿ってくっついている「めふん」も綺麗に取り除いてください。
  5. 内臓を取り除いたら、全体をしっかり洗い流します。
  6. では、塩蔵作業へと移りましょう。尾の方から頭の方へ向かって擦り込むように天然塩を塗り、腹の中も忘れずに擦り込みます。
  7. 腹から頭の裏にかけて天然塩を擦り込みます。※塩を効かせるためには、ある程度お腹の中に塩を残しておくことがポイントとなります。また、目の中にも天然塩をしっかり擦り込んでおきましょう。
  8. 最後にもう1度、鮭全体に天然塩を擦り込みましょう。
  9. 鮭がすっぽり入る箱を用意し、3日間寝かせます。※必ず10℃以下の環境で保存するようにしてください。
  10. 3日後、裏表をひっくり返して、さらに3日間寝かせます。
  11. 合計6日間寝かせたら、鮭を箱から取り出し、流水で表面の塩を洗い流した後、たっぷりの水の中へ入れて、10時間から15時間ほどかけてゆっくり塩抜きを行います。※塩抜き時間はあくまで目安となります。塩辛い味が好みの方は塩抜き時間を短くし、甘塩が好みの方は長めに塩抜きを行うのがオススメです。
  12. 塩抜きが完了したら、鮭を洗い流します。竹べらを使って身体のヌメリを取り、取り残した内臓部分などが無いか確認し、綺麗に仕上げてゆきます。
  13. ⑫が終わったら、鮭の頭を下へ向け、寒風下で7日から10日ほど自然乾燥させたら完成です。

※気温や湿度が高い場合や無風の場合、すぐに鮭が傷み始めますので、乾燥する際は天候や気温などに注意してください。

自分で作るのはとても大変なことですが、手作りした塩引き鮭は、購入したものよりも美味しく感じるものです。

ですが、塩引き鮭の美味しさの秘訣は「村上市独特の寒風」もひとつの要素に含まれておりますので、新潟県村上市に住んでいないけど、手作りの塩引き鮭を食べたいという方は、新潟県村上市塩町にある「イヨボヤ会館」で毎年11月中旬から12月初旬にかけて行われているイベント「越後村上三ノ丸流鮭塩引き道場」に参加されてみてはいかがでしょうか。

塩引き鮭の美味しい食べ方とは?

お歳暮で初めて塩引き鮭を頂いのだけれど、どのように食べたら良いのか分からないという方も大勢いらっしゃると思います。

塩引き鮭の最も美味しい食べ方は、熟成された鮭の旨味とパリパリの皮を堪能できるシンプルな「焼き料理」だと言われておりますが、焼いた塩引き鮭をほぐしてチャーハンやお茶漬けにしたり、塩引き鮭と旬の野菜をたっぷり使ったあら汁として用いるのもオススメです。

お酒のお供にもピッタリですので、この機会に塩引き鮭を使った様々な鮭料理にチャレンジするのも良いかもしれませんね。

いかがでしたでしょうか。

「鮭のまち」として知られる新潟県村上市には、100を超える鮭料理が存在すると言われていますが、そのなかでも特に人気の高い鮭料理が「塩引き鮭」です。

興味を持たれた方は、この機会に毎年晩秋から初冬の時期にかけて販売される村上市の特産品「塩引き鮭」を購入してみてはいかがでしょうか。

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