粗めに切った大根と氷頭を合わせたら、お酢と砂糖、塩を合わせた調味料と和えた酢の物です。家庭によって千切りにした柚子の皮を飾ったり、いくらを乗せることもあります。
紅白なますなどと同じく、北海道や東北地方、新潟県ではお正月などのお祝い膳として用いられており、清水のように透き通った軟骨の美しさとコリコリとした食感がクセになると、最近では北国以外の地域でも話題となっています。
そこで、今回は氷頭なますを自宅で簡単に手作りする方法とオススメの食べ方、気になるお味や通販で購入する方法をご紹介します。
氷頭なますの簡単な作り方
氷頭なますの「氷頭」とは、鮭の鼻先から目の部分にかけて存在する軟骨が氷のように透明度の高いことからこのように呼ばれるようになったそうです。
氷頭が食材として用いられるようになったのは平安時代の頃からであり、当時の文献には朝廷に献上されていたという記述が残されています。
ところで、氷頭なますは鮭の鼻先から目にかけて存在する軟骨部分を用いて作られている郷土料理だということは分かったのですが、さすがに鮭の身をさばく方法は知っていても頭部をさばく方法を知っている方は、北国以外の地域に住んでいる方では、早々いらっしゃいません。
では、ここで氷頭なますの作り方を簡単にご説明します。
氷頭なますの作り方は、生鮭の頭部を2つに割り、氷頭を取り出します。
取り出した氷頭を薄く切り、塩を振って1時間から2時間おきに酢洗いし、お酢に1時間から2時間ほど浸けます。そのあいだに大根を粗めにおろし、洗って辛味を抜いておきましょう。
辛味を抜いた大根をギュッと硬く搾り、調味料で味付けをしたら、お酢に浸けておいた氷頭とほぐしたいくら、千切りにした柚子などと共に混ぜ合わせれば完成です。
コリコリとした氷頭の食感と爽やかなお酢と柚子の風味がクセになる絶品酢の物です。
酢の物ですのである程度の日持ちは可能ですが、生鮭の軟骨を使って作られていますので、常温で保存するのだけは避けましょう。
かといって、長期保存のために冷凍保存してしまうと氷頭に含まれるコラーゲンが凍ってしまうため、せっかくのコリコリ食感が失われてしまいます。
氷頭なますを保存する際は、煮沸消毒を行った密閉容器へ入れて冷蔵庫内で保存するようにし、生物ですので、早めに食べ切ることを強くオススメします。
氷頭なますの栄養とは?
鮭の鼻先から目にかけて存在する氷頭と呼ばれる軟骨を使って作られる氷頭なますには、コラーゲンやコンドロイチンといったお肌や軟骨に欠かせない重要な成分が豊富に含まれています。
そのため、美容家や健康志向の方を中心にじわじわと注目を集めている食べ物なのですが、近年の研究によって、氷頭には「プロテオグリカン」と呼ばれる美容成分が含まれていることが明らかになりました。
このプロデオグリカンという美容成分には、年齢と共に減少してゆくコラーゲンやヒアルロン酸をサポートする効果があることが確認されており、現在美容分野では機能性素材として注目を集めています。
氷頭なますを購入できる通販ショップをご紹介!
氷頭なますを購入することができる通販ショップは「越後村上 うおや」や「カルナ食品」、「永徳」などたくさんありますが、なかには酢の物が苦手な方もいらっしゃると思います。
そんな酢の物が苦手な方にオススメなのが北海道札幌市にある昭和23年創業の佐藤水産より製造・販売されている「氷頭レモン」です。
一般的な氷頭なますに用いられる二杯酢にかわりレモン風味の甘酢を使うことで、より爽やかな味へと進化し、冷えた吟醸酒や辛口の白ワインのお供にピッタリな珍味となっています。
氷頭のコリコリ食感と淡白な味わいに優しいレモンの酸味がくちに広がる酢の物ですので、酸味が苦手な方にもオススメです。
氷頭レモンの価格は、1個(110g)710円、(150g)840円となっていますので、この機会にいかがでしょうか。
もっとパンチの利いた氷頭なますが食べたいという方は、青森県八戸市にある昭和56年創業の「味の加久の屋」より販売されている氷頭なますがオススメです。
味の加久の屋では、甘酢を使ったさっぱり風味の氷頭をはじめ、黒酢を使用した深いコクを楽しめる「氷頭 黒酢仕立て」、大吟醸の酒粕と独自配合の調味料を使ってじっくり漬け込んだ日本酒との相性抜群な「氷頭 大吟醸」、お正月などのお祝いごとにピッタリな紅白の可愛らしい「氷頭 紅白なます」など様々な種類の氷頭なますが販売されておりますので、食べ比べてお好みの氷頭なますを見つけてみてはいかがでしょうか。
今回は北海道や東北地方、新潟県に古くから伝わる郷土料理「氷頭なます」の作り方や食べ方、オススメの通販ショップについてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
なますは食べたことあるけど、氷頭なますは1度も食べたことの無い方は、この機会に是非食べてみてはいかがでしょうか。きっとその不思議な食感の虜になること間違いなしです。