皆さんは「鮭のルイベ」を食べたことがありますか。
鮭のルイベとは、かつて北海道・樺太・千島列島に住んでいたとされるアイヌの人々のあいだで食べられていた伝統的な鮭料理の1つであり、アイヌ語で「溶けた魚」または「溶ける食べ物」という意味を表す「ru ipe (ル・イペ)」が語源だと言われています。
ところで「ルイベ」ってどんな食べ物なのかと気になっている方も大勢いらっしゃるかと思います。
鮭のルイベとは、水揚げされた新鮮な鮭を丁寧にさばき、厚みのある背身を冷凍し、1cm弱ほどの厚さでそぎ切りにした、ひんやりと冷たいお刺身のことです。
昔は現代のように急速で冷やすことができる冷凍庫などが無かったため、アイヌの人々は川で捕まえた新鮮な鮭を降り積もった雪に埋め、食べるときにカチコチに凍った鮭を雪の中から取り出して小刀で切り分け、火で炙って半解凍したところに塩を振りかけて食べていたそうです。
ただ、鮭にはサナダムシやアニサキスなどの寄生虫が住みついていることがあるため、いくら凍らせたからと言っても感染してしまうのではないかと不安に思っている方もいらっしゃることでしょう。
今回は、鮭のルイベの簡単な作り方と食べ方、寄生虫に関する情報などについてご説明します。
鮭のルイベの簡単な作り方と食べ方
鮭のルイベの作り方は本当に簡単で、新鮮で肉厚な鮭の身もしくは、塩が振られていない鮭をさばいたものを冷凍庫で凍らせて、食べる際にお刺身のように薄く切って解凍してしまう前にわさび醤油などで頂くとってもシンプルな鮭料理です。
鮭のルイベの魅力は、あのシャリシャリとした独特な食感です。ひんやりと冷たい鮭の味と爽やかなわさび醤油の辛味がくちの中で混ざり合う瞬間は1度味わったら忘れられなくなります。
また、鮭の種類や産地などによって、ルイベの食感や味わいが大きく異なりますので、様々な鮭や鱒を凍らせて食べ比べてみるのもオススメです。
鮭のルイベには寄生虫が存在するのか
鮭を生食する際に最も注意しなければならないのが「寄生虫」です。
日本人は古くから鮭を生食する習慣がありません。
その理由は、昔の人々は鮭にサナダムシやアニサキスといった寄生虫が住みついている可能性があることを知っていたからです。
特にアニサキスは、人間の体内に入り込むと胃腸を食い破って移動しようとする習性があるため、感染した場合激しい腹痛と吐き気を引き起こすため、非常に厄介な寄生虫と呼ばれています。
過去にお笑い芸人の南海キャンディーズ山里亮太さんや渡辺直美さんもアニサキスによる感染を経験しており、なんと毎年平均110人もの人たちがアニサキスによる食中毒を引き起こしていると言われています。
しかし、日本でも有数の鮭の産地である北海道では、古くから鮭を生食する習慣がありました。
なぜ、北海道では鮭が生食されていたのでしょうか。
北海道の先住民族アイヌの人々は、獲れたて新鮮な鮭を雪に埋めて凍らせてから、食べる際に小さく切り分けて、軽く火で炙って食べる「ルイベ」と呼ばれる鮭料理を食べていたと言われています。
実は、鮭に寄生しているアニサキスという寄生虫は、
・-20℃以下で24時間以上冷凍すると感染性が失われる
といった性質を持っており、鮭を凍らせてから解凍する前に食べるルイベは、アニサキスの感染性が低いとされているのです。
そのため、アイヌの人々は鮭の保存性を高めると同時にアニサキスの感染リスクを軽減させることができるルイベを作っていたのではないかと考えられています。
ただ、一般家庭で鮭のルイベを作る場合、家庭用冷凍庫では通常-10℃前後までしか温度が下がりませんので、ルイベを作る際は-20℃以下まで温度を下げることができる業務用の低温冷凍庫が必要になります。
さすがに業務用の冷凍庫を購入するのは難しいので、どうしても鮭のルイベを手作りしたいという方は、「生食用」もしくは「解凍」という表示がある生鮭を購入するのがオススメです。
今回は北海道に伝わる伝統的な鮭料理のひとつ「鮭のルイベ」についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
幻の鮭「鮭児」に匹敵する脂のりを持つとっても稀少な時知らずを-20℃の環境で48時間以上冷凍した「活〆時知らずとろルイベ」は、鮭独特の臭みが無く、長期間の保存にも適しており、さらに危険な寄生虫アニサキスもしっかりと死滅しているため、鮭が苦手な人でも安心して食べることができます。
サッパリとした食べやすい食感とほどよく脂がのった「活〆時知らずとろルイベ」を通販で購入し、北海道の地酒を嗜みながら家族や恋人、お友だちと共に楽しい時間を過ごしてみては。