「鮭のまち」として知られる新潟県村上市には、鮭を用いた絶品料理が多数存在することで有名ですが、そのなかでも特に人気を集めているのが、水揚げされたばかりの雌の秋鮭 (白鮭)から取れる卵を丁寧にほぐし、特製の醤油に漬け込んで作られる「はらこの醤油漬け」です。
特に10月下旬から11月上旬にかけての3週間のあいだに水揚げされた秋鮭の卵で作られる「はらこの醤油漬け」は、鮭が産卵に備えて卵をもった状態で餌を食べているため、卵1粒1粒に十分な栄養素が行き渡り、卵膜の厚みもほどよく、口の中でプチプチと弾ける柔らかい食感と濃厚な旨味が感じられると人気を集めています。
しかし、1年のうちでたった3週間しか味わうことができない至極の逸品「はらこの醤油漬け」は、発売開始前には既に予約完売してしまっていることも多く、村上市の方々も滅多に口にすることができない稀少な鮭料理となっています。
そんな新潟県村上市の郷土料理「はらこの醤油漬け」ですが、最近では通販サイトなどで新鮮な生筋子を購入することができるようになったため、自宅ではらこの醤油漬けを作る方も増えています。
そこで、今回はたいへん稀少な鮭料理「はらこの醤油漬け」の作り方をご紹介します。
「鮭のまち」新潟県村上市の郷土料理「はらこの醤油漬け」の作り方
はらこの醤油漬けを作るにあたり、生筋子を調達する必要があります。
最近では秋になると筋子を安く販売しているスーパーやデパートも増えてきましたが、「筋子」と「腹子」を間違えて購入してしまい、失敗してしまったという方も大勢います。
「筋子も腹子も同じ鮭の卵でしょ?」と思われる方も多いかと思いますが、はらこの醤油漬けを作る際は、必ず未加工品の生筋子を用いて作る必要がありますので、既に塩漬けされている筋子を購入してしまうと、レシピ通りに作ったとしても味が大きく変わってしまいますので、必ず「腹子」もしくは「生筋子」と表記されたものを購入するようにしましょう。
では、さっそく「はらこの醤油漬け」の作り方をご紹介します。
材料
- ・腹子または生筋子:200g
- ・醤油:大さじ2杯
- ・お酒:大さじ1杯
- ・本みりん:小さじ1杯
作り方
- 分量外の水400ccに塩大さじ1杯ほど加えて食塩水を作り、この中に腹子を入れて、表面をさっと洗って汚れを取ります。
- 40℃前後のぬるま湯に①を入れ、卵を潰さないように指の腹を使って優しく薄皮から卵をほぐしてゆきます。
- 卵がほぐれたら、冷水を流しながら浮いてきた薄皮を綺麗に取り除きます。
- 卵をザルへ揚げ、水気をしっかり切りましょう。
- 煮沸消毒を行ったタッパーなどを用意し、醤油・お酒・本みりんを入れて混ぜ合わせ、その中に④を入れて、さっと混ぜ合わせます。※調味料の分量は目安ですので、お好みで調節してください。
- 蓋をして30分から1時間ほど冷蔵庫で寝かせ、味が馴染んでいれば完成です。
美味しく作るポイント
- 生筋子を洗う際は、必ず食塩水を用いるようにしてください。真水で行ってしまうと、浸透圧の関係で卵が壊れてしまう恐れがあります。
- 金網がある場合は、金網に卵を優しくこすり付けるとほぐれやすくなります。
- 卵を漬け込む際、調味料は必ず卵が浸かる量を用意してください。
- 味が馴染んでいないと感じたら、もう少し冷蔵庫で寝かせてください。
はらこの醤油漬けの最も美味しい食べ方は、やはりほかほかのごはんの上にたっぷりかけて食べることですが、鮭の切り身とはらこの醤油漬けをたっぷりかけて親子丼を作るのもオススメです。
今回は、新潟県村上市の郷土料理「はらこの醤油漬け」の作り方とオススメの食べ方をご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
手作りしたはらこの醤油漬けの賞味期限は最大で5日となりますので、長期保存を希望されている方は、冷凍保存すると良いでしょう。
はらこの醤油漬けを冷凍保存する際は、いったんざるに上げて漬け汁を切ってから小分けにして冷凍し、食べるときは自然解凍してから頂くようにしましょう。