本州最北端、青森県大間市にある大間漁港では毎年9月から12月にかけてクロマグロの水揚げがされており、2013年に東京都・築地市場で行われた早春初セリでは、なんと史上最高値となる1億5540万円で競り落とされ、話題となりました。
大間のマグロはクロマグロのなかでも最高級ブランドと言われており、マグロ通の方々は口を揃えて「死ぬまでに1度は食べておくべきマグロ」だと話しています。
「大間のマグロって冬の津軽海峡周辺で漁獲されているのだから、この時期の津軽海峡で獲れるクロマグロは全ておいしいのでは?」と疑問に思った方も多いと思います。
皆さんが思っているとおり、大間のマグロは青森県と北海道のあいだにある太平洋と日本海が交差する津軽海峡にて漁獲されており、毎年クロマグロが旬を迎える9月から12月にかけて津軽海峡に面する地域にある大間港や龍飛岬、戸井、松前などの漁港は随一のマグロ漁港へと変貌を遂げます。
冬の津軽海峡は水温や海流などの関係でプランクトンが多く、プランクトンを餌とするイナダやイカなどの生き物たちが集まり、彼らをエサとするマグロたちも遠くの海からやってきます。
津軽海峡にやってきたマグロたちはプランクトンを豊富に食べたことで丸々と肥えた餌をパクッと食べてしまうため、津軽海峡で獲れるマグロは体が大きくて脂がたっぷりのっているのです。
特にイナダやサンマ、イワシなどの青魚とスルメイカをバランスよく食べているクロマグロは青魚の濃厚な味わいとスルメイカの透明感がクロマグロの魅力を最大限引き出すことができるため、目利きのプロたちはマグロの身を見て彼らがどのようなエサを食べていたのかを見極めているそうです。
津軽海峡で獲れるクロマグロは丸々と肥えたイナダなどの青魚やスルメイカを食べているため、大間漁港以外で水揚げされたクロマグロは全て脂がのっていておいしいということになるのですが、なぜ大間漁港で水揚げされたクロマグロだけ「最高級マグロ」として扱われているのでしょうか。
その理由は、大間のマグロ釣りを題材とした映画「魚群の群れ」を見たことのある方ならばお分かりかと思いますが、大間漁港で水揚げされているクロマグロはテグス1本で釣り上げる「一本釣り」が主流であり、まき網漁法や延縄漁法と比べて捕獲数は少ないが、鮮度が最も高く、1匹づつ生きたまま即時凍結処理されるため、体表に傷がつきにくく、ピンと真っ直ぐなキレイな形で凍結されるため、商品価値が高くなっています。
また、群れを探す手間や1匹ずつしか捕獲できないなどのデメリットはありますが、絶滅危惧種に引き上げられたクロマグロの個体数を守ることができるため、環境に優しい漁法として注目を集めています。
さて、「最高級マグロ」と称される大間のマグロですが、1度は旬を迎えたばかりの新鮮な大間のマグロを食べてみたいと思いませんか。
今回は本州最北端にある青森県大間市にある獲れたて新鮮な脂がたっぷりのった大間のマグロが食べられる食堂や定食屋さんをご紹介します。
魚喰いの大間んぞく
青森県下北郡大間町にある「魚喰いの大間んぞく」は、2001年東京都・築地市場の早春初セリにて1kgあたり10万円の高値をつけた202kgのクロマグロを釣り上げたマグロ漁師・竹内薫さんが営んでいる魚系食堂です。
魚喰いの大間んぞくは、竹内さんを筆頭に一家団結してお店を盛り上げており、なんと水揚げから加工まで全て完全自社加工というこだわりっぷりです。
実際に魚喰いの大間んぞくを訪れたことのある方々は、
さすがマグロ漁師さんが営んでいる食堂だけのことはある!
脳天が突き抜けるほど絶品!
本州最果ての地で脂がたっぷりのった旬の大間産マグロを堪能できて幸せ
地元の漁師さんもオススメする名店
など、たいへん好評です。
なかでもお店の開店時間丁度に行ったら、お店の外からマグロの解体する様子が見えて「これからどんなマグロ料理がたべられるのだろう」と期待で胸が躍ったという方もおられました。
魚喰いの大間んぞくを訪れたら、7月中旬から1月末までの期間限定の生マグロがたっぷり乗った「マグロ丼」や「マグロ刺身定食」を注文されるのがオススメですが、大間伝統の箱めがねを使って名人が仕留めた子持ちのババガレイの「煮つけカレイ定食」や脂がのった新鮮なホッケを一夜干しにして作られる「焼き魚ホッケ定食」などほっぺたが落ちてしまうほどおいしいお料理がたくさんありますので、是非この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
住所:青森県下北郡大間町大字大間字大間平17-377
電話番号:0175-37-5633
営業時間:8:00~18:00
定休日:不定休
料金:定食1,000円~ / マグロ丼2,800円~
まぐろ 長宝丸
青森県下北郡大間町にある「まぐろ 長宝丸」は、青森県大間のフェリーターミナルから歩いて10分ほどのところにあるマグロ専門店です。
地元の人はもちろん、観光客も入りやすい店構えとなっており、旬を迎えた新鮮な大間のマグロをリーズナブルなお値段で堪能でき、しかも直売所も併設されているためお土産も買うことができると人気を集めています。
長宝丸がリーズナブルなお値段で大間産のマグロを提供することができる理由は、「第十一長宝丸」という自社の持ち船でマグロの水揚げから販売まで全て自社で行っているからです。また、マグロ業界では初となる急速冷凍システム「イータマックスシステム」を採用しており、マグロのシーズンオフ期間中でも獲れたて新鮮な大間産のマグロを提供することができるため、通年を通して最高級マグロを味わうことができます。
実際にマグロ 長宝丸を訪れた方々は、
美味しいマグロをたくさん食べられる
まるで“お肉”を食べているかのように赤身がとろんとしていておいしい
さすが大間のマグロ!
絶品の大間のマグロを食べたいのならばここしかない
など、たいへん評判となっています。
大間岬にある440kgの巨大マグロモニュメントのモデルは平成6年に長宝丸実際に大間で釣り上げたクロマグロがモデルとなっており、10年以上経ってもこの記録を上回るクロマグロは水揚げされていません。
大間のマグロの大半は東京都・築地市場へと出荷されてしまうため、地元でもなかなか食べることができない高級マグロをリーズナブルなお値段で食べることができるのはとっても嬉しいですよね。
200kgクラスの大間産マグロを堪能したい方は、是非「まぐろ 長宝丸」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
住所:青森県下北郡大間町大間奥戸下道22-6
電話番号:0175-37-5268
営業時間:10:00~22:00 ※お食事処は11:00~
定休日:水曜日 ※7月と8月は無休、12月31日~1月2日まではお休み
料金:3,000円~
備考:解体ショーが行われるときは、解体直後に生のマグロが店内で購入出来ます。
今回は本州最北端の地で獲れる大間のマグロの紹介と旬を迎えた絶品大間のマグロが食べられる食堂と定食屋さんをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
青森県大間には「大間んぞく」や「長宝丸」の他に「海峡荘」や「浜寿司」、「青森魚菜センター本店」などでも最高級マグロが食べられるお食事処がたくさんありますので、夏休みや冬休みを利用して青森県を訪れる際は、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。